自己愛性人格障害は治るのか

自己愛性人格障害は、治るのが難しいとされています。それは、自己愛性人格障害の性質的に、自覚することが非常に難しく、そもそも治療が行えないことが多いからです。

現実的に考えて、自己愛性人格障害は治る病気なのでしょうか。ここでは、自己愛性人格障害が治るかどうかについて考えてみましょう。

自己愛性人格障害の人の多くは、自分が自己愛性人格障害だと自覚することができません。自覚することができない以上、精神科に通う必要があるとも考えませんし、周囲から精神科に行くことを勧められても、なかなか行こうとは思わないでしょう。

また、運良く精神科に行くことができたとしても、治療の段階で、自己に対する認知の歪みを矯正されるようなカウンセリングに苦痛を感じ、やめてしまうという人もいるでしょう。

身近に自己愛性人格障害の疑いがある人がいる場合、どうやって治療を受けさせればいいのでしょうか。本人が嫌がる以上、精神科に連れて行くことは困難です。

ただし、本人が他の精神疾患に悩んでいるという場合、それを理由に精神科に行き、診断で自己愛性人格障害が発覚するというパターンもあります。

ただし、こうして自己愛性人格障害だと断定できたとしても、治療の苦しみから逃げてしまうこともあるので、必ずしも治るとは言えません。

自己愛性人格障害でも、軽度だという場合は、なんとなく生きづらさを感じて、精神科に行くことに同意することもあります。また、若ければ若いほど、病歴が短ければ短いほど、治療をはじめるのも簡単になります。

そして、治療の成果も出やすいのです。

ですから、軽度で年齢的にも若ければ、治る見込みはあると言えます。その逆で、重度でそれなりに年を取っていれば、治らないと思っても差し支えないでしょう。